和平
2025.02.12あるけ

【活動報告】カードゲームを通して、「地域の掲示板」を復活させたい_メンバーインタビュー#1

この記事は、阪田が設立した任意団体「あるけ」の活動報告です。

暮らしやまちの共感を集めて、共助のパワーにする「あるけ」は、2024年12月に岐阜で初めてのイベント「アルケソン」を実施、また合わせてオリジナルカードゲームである「アルケカードゲーム」を開発しました。

今回は、アルケソンができるまでをイベント・カードゲーム制作の中心人物の1人「つなくん」に深掘りします。

アルケソンをやってみた感想

──アルケソンを開催して少し経ったけど振り返ってみてどう?

参加者のみんなちゃんと話すんだ、というのが一番の驚き。
山札を無くすところまでいかないでずーっと議論してるグループもあって。笑
それは参加していただいたママさんの性質もあるかも知れないけど、かなり個人を掘り下げて、なんでこのカードを選んだのか、子どもにまつわる内容、パートナーとの関係性について踏み込んで話してくれた。

改めてそういう場を作れてよかったなと思ってる。
まず場があること、ある1人がある1人に伝えることで「そういうことを思っていたんだ」「実は私もそう思っていて」という種を見つけられている感じがして。

今後色々改善する部分もあるけど、僕たちがやらなきゃいけないこと「空間を作る」「人が集まる」「自分と他者を知る」「思いがけない本音が出る状態を作る」ができていたのかなと思う。

これを続けていって、その地域の人が明日も幸せに暮らす・次世代の住民がより良く暮らす・どう面白い街にしていくのかという話が生まれたら、いろんな気付きのデータとして蓄積されていって、大きなうねりになるのかなとも思った。

実際のママさんの声
実際のママさんの声

「地域の掲示板」を復活する

──アルケソンを着想したのはどういう経緯だった?

あるけの活動内容を決める中で、元々繋がりのあったトリニティネットさんの活動支援がきっかけで、本格的にどういうことができるか・何しようか会話し始めたんだよね。

あるけの役割や地域の課題について話していくうちに、あくまで(地域をよくする)主体は地域の人たちだという前提に立つと、同時に地域の人たちは案外自分の困ってることや、他の人が何に困っているのかを知らないんじゃない?というところに焦点があった。
要は「隣人の悩みを知らない」よねと。

それはどうやったら街の掲示板を作れるんだろうという問いになった。ゲームでいうクエスト依頼とか、ああいったものどうやったら作れるんだろうと。
自分たちが何に困っているかを知ることと、それを吐き出す場を再現する、が着想の最初だった。

とはいえ場だけあっても自分が何に困っているのかを明らかにしないと他の人の意見を聞いても反応できない、わからないし、刺さらないから「へー」で終わってしまうよね。そこで止まってしまうんじゃないかというのと、

例えば街の人を集めて、どうぞ話してくださいって言ってもきっとでてこない。普段なんとなく考えていることの愚痴になっちゃったり、ただ出すだけだったり、声が大きい人=その空間でパワーを持っている、その人が話したことに引っ張られてそのことに話しちゃうということって日常生活だとあると思っていて。

自分の困っていることを自覚して、かつお互いの視点でフラットに議論できる場にしたいと思ったんだよね。そもそもそれができないと地域は変わらないし、共助互助は作れないだろうなと。

「わかる人」だけで議論しない場を作る

そういう場をどう作るか考えた時に、バリューズカード(※)を会社の合宿でやった時のことを思い出して。
※チームメンバーの価値観の理解や共有ができるカードゲーム

バリューズカードはなんでそのカードを選んだのか、自分でも考えるきっかけにもなるし、良い意味で発言の制約があることと、ゲーム感覚で楽しめるところが良いと思っていて、個人的な体験としてもすごく良かった。
ゲームなら立場や肩書関係なく、ルールに沿って全員が参加することができるよねと、マリオカートやった時とかのことを思い出して。

(地域の人同士で対等に話す時に)ディベート強いとかそういうものを取り払って、心理的安全性を担保するにはゲーミフィケーションは良いなと。

バリューズカードのコミュニケーションは起点が個人なんだよね。上司とか部下とか関係なく、カードに従っていち個人・いち人間という単位で価値観やまつわるエピソードが出てくるというのが面白い。

カードゲームでやろうとなるまではそんな感じかな。

カードゲームの制作過程はめちゃくちゃ大変だったからいつかポッドキャストでしゃべりたいね。印刷とか。

カードの試作とトライヤルを繰り返す
カードの試作とトライヤルを繰り返す
印刷が大変すぎる
印刷が大変すぎる

誰もが部外者であり、社会を変える一員でもある

──つなくんは、普段から地域の問題や課題について「議論できる人だけのテーマにしない」ことを大切にしているように思う。

そうだね。
大事なのは役割分担だと思っていて、その場にいる人だけで議論するものと実際の人の感情にはギャップがあるよねとも思っている。

それを一番感じたのが、学生時代に参加した企業主催の地方創生をテーマにしたインターン。東大・神大・京大・慶應・早稲田の学生と同じグループになって。みんな机から動きたがらないのが衝撃で、論理的に考えればこれ、という手順で考え始める。それがすごく違和感があって。新しい結論・事実が出てこなかったんだよね。

やっぱり現場に足を運んで、人と話さないと見えてこないものがたくさんあると思う。自分自身、現場がファーストでないとビジネスも政策も作れないという経験があって、それを裏付ける出来事だったかも。いかに一緒に作っていくかというところにこだわりができた。

1人1人が大切にしている価値観、やりたいことが火としてまずあって。火を消すことなく、その上で大きな炎になっていくというプロセスをどう作るのか、課題の主観/客観のちょうどいい中間点がどこなのか。

それを探るにはいろんな立場・視点・セクターを繋ぐ役割が求められていて、それが「あるけ」なのかなとは思ってる。「アルケソン」自体は翻訳機/翻訳作業の性質を持っていて、ワークとしてもそう設計するんだけど、最終的には一市民が社会を変える1人だし、同時に社会を変えるための仕組みを作らなきゃいけない。その意識は自己認知と他者理解があった上での話なんだろうなと改めて思ってる。

聞くことから、対話の場をつくる

──つなくんは、アルケソンに対しても「対話する場としてどうあるべきか」の意識が強いよね。それはなんでだと思う?

(アルケソンの役割のうち)データとして抽出してインサイトをデータベース化するのは得意な人がやればいいと思っていて、どうデータが集まるかは、実際それが専門のメンバーもいるから。
対話の場としてどうあるかについては、データになる前の本音を聞くという位置付けとしても、個人的な考えや背景と通じるとこもあって、「バランス感覚」をかなり意識してた。

地域課題の解決ってスタートアップ/地元企業・ソーシャル・教育・自治体(行政)・地域、いろんな文脈や感覚で話がわかったり、できる必要があるなと思って。全部できる人はあんまりいないんだけど。

いろんなステークホルダーが関係するからこそ、それぞれのステークホルダーに合う言語で話せないといけないよねと思っていて。
そのためにはどうしても自分自身も含めて中庸を取れるスタンスでいないと、どこかに偏ってしまったり中途半端な解決策になったりする。あとはすでにそれぞれの領域にはプロフェッショナルがて、彼らがいて繋ぐことさえできれば実現するから、あまりどこかの立場に振り切らせないようにもしてた。

──あるけのメンバーも比較的、相手の文脈に合わせて話す人が多いよね。

それはめちゃくちゃ思う。バランス感覚を持つ人が多くて、逆にいうとどこにも特化していないのかも笑

今後の開催に向けて

──アルケソンは今後どうなっていくと良い?

当日は視察のため広瀬さん(岐阜県議会議員)が会場に
当日は視察のため広瀬さん(岐阜県議会議員)が会場に

議員の人や自治体の職員さんにより参加してもらいたいと思っていて、(アルケソンを通じて)声を抽出する・個人が意識変容する中で、仕組みが追いつかないと火が終えてしまう。
火が消えないようにするには薪をくべる必要があって。
それはお金かも知れないし、外部のリソース・専門家かも知れない。連携する団体だったり。

あとは政策だったりサービス開発に繋げるにはNPOや企業・行政はそれぞれどういう視点で物事を見ているのか、それを可視化すること、そのための場を用意すること。「こういうことが課題だったんだ」と新しい解釈・意識に繋げられればプロジェクトとして、モメンタムになっていくと思うし、キーマンを動かすための入り口にもなると思う。

その結果アウトプットとして政策やプロダクトや事業が生まれるところまで伴走できれば、いろんな地域に展開できるものになるんじゃないかなと思う。

今は7名くらいのチームでやっているけど、他の場所や国外も含めて、僕らが直接的に関わっていなくても取り組みが波及していくと面白いなと。日本変わるよねと思う。

プロフィール

話し手:繋奏太郎(つなぎ そうたろう) 通称:つなくん

1997年生まれ、青森県出身。創価大学法学部卒業。
在学中にトビタテ!留学JAPAN6期生としてフィリピン・ミンダナオ島に渡航し、認定NPO法人e-Educationの現地インターンとして教育省や大学と連携してプロジェクトを立ち上げた。卒業後は株式会社STYZが運営するSyncableにてNPOのファンドレイジング支援を担当。
2023年に独立し、NPOファンドレイジングの支援に加え、一般社団法人ELABの理事として高校向け探求プログラムを提供。また、世界経済フォーラムのGlobal Shapers東京ハブ・インパクトオフィサーとしても活動中。

編集後記

記事の担当:まい
編集の都合で大幅にカットしたつなくんの真髄、編集後記として掲載します。

──つなくんはキーワードとして「対話」をよく使うよね。それはなんでだと思う?自分なりに分析すると。

腹を割って話す事って楽しい。この人って実はこう思ってたんだ、自分はこう思ってるかも、というのが発見できるのが自分はとても好き。
言いにくいことも言える、それは誰かを傷つけるのではなくて、ただ自分が思っていること・置かれている状況を口にできること自体が素晴らしいと思ってて。

どうしても顔が見えないと傷つける言葉になっちゃったり、そういうシーンはあるけど、その背景には分かってもらえないこと、困りごと、悩みごと、好きなものという情報があるはずで、それを知りたいと個人的によく思っているからかな。

建設的な、お互いが気持ちよく物事を進めるために必要な行為だと思ってるな。

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